つづるgraph

自由につづり、自由に描く。

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きょうはそらにまるいつき

 

 

先日、幼稚園でお月見イベントがあった。

なんと、18時登園、20時降園。

年少でもそんなに遅くに帰宅するようなイベントがあることに驚きつつも、

非日常感にわたしまでワクワクしていた。

 

昼間の保育はないのでその日のメインイベントはお菓子作りとし、

スーパーへ買い出し、製作、みんなでロングお昼寝(わたしもね)、

その後作ったお菓子を食べる。

お団子でも作れればよいのだけど娘たちは食べないので、チョコレートムース。激甘でおいしい。

 

夕方、次女をベビーカーに乗せて幼稚園まで長女と歩く。

いつもと違う街の様子に私も長女もなんだかそわそわ。

普段、平日のその時間はすでにお風呂に入っているか夕食を食べているかで、

金曜に浮足立って帰宅する高校生や大学生の集団を見ることもないし、

帰宅ラッシュで車だらけの道路を見ることもない。

定時で帰ったのだろうか、スーツ姿のお父さんと子どもが一緒にスーパーに向かう姿を見て、こんな家庭の形もあるのだなとなんだか切なくなることもない。

夕方の街は、わたしにとって見慣れないものになってしまっていたことに気づく。

 

どうやら非日常に心躍らせていたのはわたしと長女だけではなかったらしい。

家に着いても頑なに中に入らないと泣く次女。

仕方がないので、仕上がったクリーニングの回収という用事を見つけ、再び夕方の街へお散歩に。

この頃すんなりと家に入れることがほとんどなくて、ほとほと困り果てている。

 

なんとか家に入り、慌てて晩ごはんを作る。

長女のリクエストの天ぷら。

実は前日に唐揚げを作ったので2日連続の揚げ物だけど、こんな楽しい日は好きなものを食べさせてあげたい。

 

帰宅した夫に次女を託し、長女のお迎えへ。

「そんな遅い時間に子ども二人を連れて帰るなんて危ないだろう」と、次女と留守番するために早く帰宅した夫。

「なんと大げさな」と感じたのだけどそのとおり、多くの人が普段どおり抱っこひもやベビーカーで赤ちゃんを連れている。

それでも、赤ちゃんだけ先にお風呂に入れたと話す口調や、母親自身も一緒にお風呂に入ったらしくシャンプーの香りを漂わせる髪から、

早く帰ってくれてありがとうという気持ちが自然と湧き出る。

そしてこの時まで素直にありがとうと思っていなかったことに気づき、性格悪くなったなわたし、と少し悲しくもなる。

 

いつもより高い声を上げながら教室から飛び出してくる子どもたち。

夜の幼稚園は楽しいらしい。

長女は予想通り月見団子は食べられておらず空腹のはずなのに、やたらと元気いっぱい。

夜の道を、星を数えながら歩く。市街地なので数個しか見つからない。

園からは光るおもちゃを推奨されなかったけど、去年はじめてのディズニーランドで買ったラプンツェルのランタンを持ってきた。

近くにいた男の子に「あの子いいライト持ってる」と言われて嬉しそうな長女。

 

通り道の定食屋、居酒屋。

にぎやかで和やかな雰囲気が漏れ出ていて、長女とふらりと入ってしまおうかと思う。

そういえばみんなでお迎えに行ってみんなで居酒屋に行ってもよかったんだ、と気づく。

居酒屋は微妙だとしても、定食屋やファミレスなら問題なく行けたはず。

そんな発想がなかったことに寂しくなりつつも、来年はきっとそうしようと楽しみになる。

 

家に着いた。次女に見つからないようラプンツェルのライトをリュックに隠す。

ドアを開けるとお風呂上がりの夫と次女に迎えられ、ものすごく新鮮な気分。

牛乳石鹸のにおいが愛おしい。

みんなでいつもより遅い晩ごはん。

ささっと済ませてすぐ寝かせるつもりが、娘たちがとても楽しそうでついのんびりしてしまう。

お昼に作ったチョコレートムースをパパにプレゼントしつつちゃっかり自分も食べる長女。

その顔が嬉しそうすぎて、楽しそうすぎて、「これが幸せというやつか」と言わんばかりの光景に涙が浮かぶ。

 

寝る時間が遅くなろうが、みんなが笑顔なのが一番だね。

なんでわたしはいつも一分一秒でも早く寝かそうと必死なんだろう?

まだまだ遊びたくて必死に抵抗する娘たちを、必死で急き立てるわたし。

長女の笑顔を見ていたら、そんないつもの光景が滑稽に思えてきた。

そりゃあ毎日毎日夜ふかしはさせていられないだろうけど、ちょっとくらい寝るのが遅くなったっていいのにね。

まだ本を読んでほしいという娘たちに「もう終わり!」と叱りつけて布団に潜り込むわたしは一体何を欲しているんだろうね。

 

そうそう、この日はとてもきれいに月が見えました。

 

きょうはそらにまるいつき

きょうはそらにまるいつき

 

 

 

筆者:あえか(id:AEKA)
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